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月嫂(ユエサオ)体験レポート (2)

プロフィール

2023年夏、第2子出産。

ユエサオ31日間利用(基本は26日間契約+次の人が産まれるまで延長可能とユエサオから話があり、希望した)

月嫂(ユエサオ)利用を決めた理由

  • 上の子がいる中で、両親など家族のサポートが受けられず、夫も育休を取れない状況での2人育児スタートに不安があった。
  • 上の子から3年経っており、新生児育児を忘れてしまっていた。住み込みで24時間一緒に見てくれる新生児専門のユエサオに安心と信頼感を期待した。
  • 同じマンションで出産した人が何人かいて、(同じ)ユエサオを利用してよかったということを聞いていた。
  • 日本人に人気のユエサオを実際に利用した友人から、直接紹介してもらえた。
  • 中国ならではのサービス、カルチャーを体験してみたかった。

探し方・契約方法

  • 周りにユエサオ利用者がたくさんいたので、口コミや評判を聞いていった。
  • 実際に利用した友人から連絡先を教えてもらい、直接ユエサオとやり取りを開始。
  • ユエサオが同じマンションの友人の家に来ている間に直接接見し、印刷した契約書にサインして、予約金(デポジット)2,000元を支払った。私の場合は紙の契約だったが、Wechat上のデータの契約書でも可。

契約した時期

妊娠7週目(妊娠2カ月)にユエサオに連絡し、予約したい旨伝える。すぐに契約でもよかったが、ちょうどその月に同じマンションの友人宅へ来る予定だったため、接見してからでもよいとの返事をもらい、そうすることに。

ただし、その時期にコロナが流行して会う時期が遅れに遅れ、実際に会って契約したのは妊娠11週目(妊娠3カ月)になってしまった。接見後、契約書と予約金(デポジット)を払う。その間Wechat上でやり取りをしており、契約期間の予約は確保してくれていた。

費用

26日間18,000元(予約金(デポジット)2,000元含む)+5日間=21,400元

※端数はいらない、次のお宅へ行く日にちの分は費用はいらない、と言ってくれた

 

出産までのやり取り

事前のユエサオとのやり取りは、契約書の受け取りと送金のみ。

周りに同じユエサオ体験者が多くいたので、そこから情報収集。生活の様子や用意したほうがいいものなどを聞いたりしていたため、イメージがある程度できていたこともあり、ユエサオを迎えるにあたり不安や疑問などはあまりなかったので、特段やり取りはしていない。

直前の連絡のタイミングだけ事前に聞いたところ、病院に行ったところで連絡してほしいとのことだったので、破水して病院に到着した後に、その旨を連絡した。

また、出産後にいつから来るかを確認した。私の場合は、日曜に退院だったため、翌日の月曜から来てもらうことにした。

ユエサオとの生活は実際どんな感じなの?

初日

  • いろいろ心配していたが、初日にユエサオのほうからいろいろと聞いてくれるので、特に困ったことはなかった。食事について聞かれ(食事の項目で後述)、ひと通り部屋の中を案内し、赤ちゃんの物がどこにあるかを中心に説明した。

ユエサオ用の部屋

  • ユエサオと赤ちゃん用にひと部屋用意した。そこには、ユエサオ用のベッドとベビーベッドを配置。
  • 3段ワゴンに、赤ちゃん用のお世話用品を用意した(オムツ、おしり拭き、保湿剤、夜間用ライト、綿棒、おへそ消毒など)
  • 同部屋に赤ちゃんの洋服を収納
  • ユエサオ用の部屋にはもともと3歳長男の洋服などもクローゼットに収納してあったため、長男の着替え等を出し入れするための出入りはする必要があると伝えた。
  • 洋服をかけるポールをたまたまその部屋に置いていたら、活用されていたので、あってよかったと思った。
  • 実際ユエサオの部屋は、通常はドアをオープンにしており、着替えや電話しているとき(けっこうな頻度で誰かと電話している)、ユエサオが部屋で休んでいる時間などはドアを閉めていた。f:id:shaling:20240109233340j:image

ユエサオのお風呂・リフレッシュ時間

  • 始めの方は、家族と同じお風呂に入ってもらった。シャンプーや石鹼類は我が家のものを使用。バスタオルはユエサオが持参していた。
  • ユエサオ自身のリフレッシュのために自由時間を提案すると、途中から、午後赤ちゃんが寝てからタイミングをみて、マンションのジムに毎日通うように。以降、そこでシャワーも入って帰ってきていた。

洗濯

  • 赤ちゃん以外の家族分は私がやる予定だったが、赤ちゃんと家族分をそれぞれわけて、家族の分も毎日洗濯機をまわし、干してくれた。畳んで、クローゼットに収納するところまでやってくれた。

掃除

  • 我が家はサービスアパートで週に2回掃除サービスが入るため、基本的には掃除は必要なかった。ユエサオに聞いたところ、基本的には、掃除はサービス外だが、状況によっては簡単な掃除はしてくれる場合もあるとのことだった。
  • ユエサオ自身がよく使用するキッチンまわりは、常にきれいにしてくれていた。

赤ちゃんのお世話

  • 基本的には、オムツ替え、沐浴、ミルク、寝かしつけ、泣いたときの対応など赤ちゃんのお世話はすべてユエサオがやってくれる。
  • 初日の夜に、夜中はどうするか聞かれ、私は母乳の出に不安があったので、夜中も授乳したいと伝えると、希望通りに、赤ちゃんが起きたタイミングで私も起こしてくれた。(でも、私の周りでは、夜中はユエサオに任せて、夜は睡眠時間を確保して朝までゆっくり休んでいた人のほうが多い印象。)
  • 一人目の子で一通りのことは経験しているものの、上海では初めての新生児の子育てであるため、念のためユエサオが帰る前に一度沐浴を見せてもらって、動画を撮らせてもらい、やり方を確認した。

上の子のお迎え・お世話

  • 我が家の場合は、長男が幼稚園に通っているため、朝と夕方にバスのお迎えがあった。夫と協力しながらなんとかお迎えに行けたが、必要ならユエサオが行ってくれるとのことだった。
  • 長男もユエサオのことが好きだったため、長男のために果物を切ってくれたり、ドーナツを作ってくれたり、じゃれあいに付き合ってくれたりしていた。希望すれば、上の子用の食事も大人とは別で用意してくれるとのことだった。

その他

  • 途中から足湯(薬湯)を毎日用意してくれた。薬湯はタオバオで買うように指示があった。タイミングとしては、夜ご飯前後の授乳中。足が入る大きいバケツがなかったので、おもちゃ箱で代用。熱いお湯を2-3回にわけて継ぎ足しながら、20-30分ほど足湯していた。f:id:shaling:20240109233431j:image
  • 一人目の時は最初母乳の出が悪かったので、それが不安だと初日に伝えたら、毎回、授乳の後に搾乳するように言われ、徐々に母乳の出が良くなっていった。搾乳している時のセルフマッサージの仕方を教えてくれた。
  • とにかく話すのが好きな人で、日頃来てもらっているアイやお掃除アイに、「このママは母乳の出が悪い」「日本人は〇〇」などと報告していた。おそらく悪気はないし悪口を言っているつもりではないが、気になる人は気になるかも。
  • 次の人が産まれたタイミング(突然やってくる)で次のお宅に行くのだが、ちょうどその時に上の子が手足口病で幼稚園を休んでいたため、上の子の熱が下がるまで我が家にいられるように次の人に事情を話して交渉してくれた。本当は次の人は入院しているときからユエサオに来てもらう予定だったが、退院するタイミングから行くことに変更してくれた。おかげで上の子の症状が少し落ち着くまでは我が家にいてくれることになり、とても助かった。

ユエサオとのコミュニケーション

  • 私は中国語ができなかったので(初心者レベル)、翻訳アプリを使ってコミュニケーションを取っていた。「百度翻译(バイドゥファンイ)」というアプリを使用。ユエサオは、百度のマイク機能を利用して伝えたいことを携帯に話しかけて翻訳後の日本語を私に見せてくれるというスタイルだった。「有道翻译(ヨウダオファンイ)」アプリも時々百度翻译の中国語・日本語が合っているか確認のために使用した。
  • 中国語ができない日本人にも慣れているようで、こちらが理解できない場合でも嫌な顔せず分かるまで何度も伝えてくれた。ユエサオがとても明るい人だったので、多少の理解の違いなども笑い飛ばしてくれる。育児に関しては、言葉が通じなくても実際の動作ややり方を見せてくれたりするので、不安や疑問はなかった。

食事

  • お料理好きのユエサオだったこともあり、作ってもらった料理のほとんどが美味しかった。味見をしないようで、「今回はしょっぱかった、ごめん」と言われたこともあったが、基本はこちらの食べたいメニューを聞いてくれ、子どものためのおやつなどもあり、バリエーション豊かで飽きなかった。餃子やパンなども生地から手作りしてくれる。
  • 日本食は、味噌汁、とんかつ、カレー、ハンバーグなどのほか、リクエストすれば何でも挑戦してくれる。小紅书(シャオホンシュ)を見て作ったり、日本料理をもっと勉強したいと言っていたので、タオバオで日本料理の本をプレゼントしたら、本にあるメニューからリクエストしたものを作ってくれた。新しい料理に挑戦することが楽しい様子だった。
  • 初日にまず食事についていくつか聞かれた。嫌いなものはないか、家族が食べる量はどのくらいか(おかずの数)、1日に何食食べるか(おやつはいるか)など。
  • 初日は冷蔵庫にあるもので食事を作ってくれたし、食材を無駄にしているという印象が全くなかった。冷蔵庫にあった食材はほとんど使い切ってくれた。
  • 同じユエサオを利用した人で「一週間ほどは産後のメニューが決まっていてそれを基に料理を作ってくれた」と言っていた人もいたが、私の場合はメニュー表のようなものはなく、食べたいものを聞かれたり、ユエサオが作りたいメニューについての好みを聞いて作ってくれたりした(小紅书の動画でどんな料理かを見せてくれたりした)。
  • 食材購入は、盒马(フーマ)で必要な材料を選び、私の携帯から注文する流れだった。2-3日に一度注文していた。フーマにないものはタオバオで注文した(ラーメンの麺、ドーナツの型、焦げ落とし用スポンジなど)。
  • 時間はその家庭にもよるが、我が家は朝8時、昼12時、夜6時頃だった。
  • 食事づくりは、基本的に赤ちゃんが寝ているときに。途中で赤ちゃんが泣いた場合は、様子を見に行ってくれた。f:id:shaling:20240109233834j:imagef:id:shaling:20240109233830j:imagef:id:shaling:20240109233851j:image
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ユエサオを頼んで良かった点

  • とにかく産後の回復期にゆっくり休めたことがよかった。常にママの体調を気にかけてくれるため、身体の回復が早かったのはもちろん、時間的な余裕が生まれたことで精神的にもストレスを感じることがなかった。
  • 住み込みですべてを把握してくれているので、不安や心配ごとなどを共有し、アドバイスをくれる存在として、とてもありがたかった。
  • 日本ではユエサオがいないので、中国ならではの体験ができたことは貴重だと思う。
  • 産後すぐに友だちにも会う(家に来てもらう)ことができて私自身のリフレッシュにもなったし、赤ちゃんをたくさんの人に抱っこしてもらうことができてよかった。

悪かった点や戸惑った点

  • ユエサオには次の予約があるため、次の人が産まれてしまうとその家庭に行かなければならず、もっといてほしいと思ってもどうにもならないのは仕方ないことだった。それ以外は特になし。

まとめ・感想

  • ユエサオを利用して本当によかった。契約時には基本的に1カ月しか頼めないものだと思い込んでいたが、経済面さえ可能ならば2カ月くらいいてほしかった(実際に2カ月の契約は可能)。感謝しかない。
  • 私が利用したユエサオは、日本人家庭の経験が豊富なスーパーユエサオと呼ばれる人だったため、日本人の産後の過ごし方への理解があった。中国では産後しばらく頭を洗ってはいけない、夏でも靴下や帽子をかぶるなどと聞いたことがあるが、裸足でも何も言われなかったし、毎日シャワーに入ることについても何も言われなかった。
  • 中国語ができないため不安だったが、携帯の翻訳アプリを使って最低限のコミュニケーションは取れたし、使う単語は同じなので、しばらくすると赤ちゃんのお世話に関するワードはわかるようになった。ただ、事前に育児に関する用語を勉強しておけば、よりコミュニケーションをとれたなと思う。
  • 上の子の時は産後実家で数カ月過ごしたが、今回は新生児専門の知識と訓練を受けたユエサオという心強い存在がそばにおり、自分自身の休養や安心感はもちろん、中国ならではのサービスを利用できて貴重な経験となった。ユエサオと過ごした時間は一生の思い出になった。