※月嫂(ユエサオ)とは、出産直後から自宅に泊まり込みで新生児のお世話全般、産婦さんのケア、食事作りなどを行ってくれるプロの方です。
- プロフィール
- ユエサオ利用を決めた理由
- 探し方・契約方法
- 契約した時期
- 費用
- 出産までのやり取り
- ユエサオとの生活は実際どんな感じなの?
- ユエサオとのコミュニケーション
- 食事
- ユエサオを頼んで良かった点
- 悪かった点や戸惑った点
- まとめ・感想
プロフィール
- 2022年春、第1子出産
- ユエサオ26日間契約
ユエサオ利用を決めた理由
- 初産で、両親の力も借りられない(コロナ禍だったので)のはとても不安でしたし、またせっかく産後サポートの充実している中国で出産するのだから、何かしらは利用したいと思っていました。
- 知らない人が家に寝泊まりすることに抵抗があったので、最初は日中のみのアイさんをお願いしようと考えていました。しかし新生児のお世話ができるアイさんの探し方が分からなかったことと、やはり夜中のお世話に不安があったので、共同生活のモヤモヤはある程度我慢しようと決めて、ユエサオをお願いすることにしました。
- なお、月子中心も見学に行きましたが、家の方が落ち着けそうと感じましたし、病院→月子中心→家と環境がコロコロ変わると自分も赤ちゃんも大変かなと思ったので、選択肢から外しました。
探し方・契約方法
- すくすくのイベント「出産お話体験会」にスピーカーとしていらっしゃっていた先輩ママさんに個人的に紹介してもらいました。日本人家庭の経験が豊富な方です。
- しかし紹介いただいたユエサオは、私の出産予定日の時期は既に予約が入っていたため、ユエサオづてで別のユエサオを紹介してもらいました。
- 連絡をとってすぐ、WeChatのビデオ通話で面談しました。日本人家庭の経験はほとんどないようでしたが、温和で丁寧な方だったのでその方にお願いしようと決めました。
契約した時期
つわりがおさまってすぐ探し始めたので、妊娠4ヶ月後半くらいだったと思います。
費用
- 26日で15800元でした。契約時に1000元を予約金として支払い、契約終了時に残金支払いです。
- しかし色々あって(後述します)16日で契約終了したため、最終的には日割りで約9700元支払いました。
出産までのやり取り
- ベビーベッドとユエサオベッドについて、思っている配置で大丈夫かどうか確認しました。
- 特に買っておいた方がいい物などあるか確認→一般的な産後用品と赤ちゃん用品があればOKと言われました。
- 出産予定日が近づいた頃に、「まだお産の兆候がないから予定日過ぎそう」と連絡。早まりそう、または遅れそうな場合は、連絡しておいた方が良いと思います。
- 出産後、出産報告と退院見込み日時を連絡。退院した足でそのままマンションの1階で落ち合うことに。
- 私は妊娠中あまり連絡を取りませんでしたが、気になることがあればもっと連絡してよかったのに〜と言われました。
ユエサオとの生活は実際どんな感じなの?
- 我が家は1LDKなので、リビングで赤ちゃんとユエサオ、寝室で私と夫が寝起きするように配置していました。リビングにベビーベッドとユエサオ用ベッドを並べて置きました。
- 私は、基本寝室で授乳したりゴロゴロしたり。動きたくなったら、リビングで赤ちゃんを抱っこしたり、ユエサオにお世話の仕方を教えてもらったりしていました。日本のテレビをつけてユエサオと談笑したりも。夫も家にいる時は同じような感じでした。
- 子供が小さいと、とにかく「ゆっくりご飯を食べられない!」という悩みがつきものですが、ユエサオがいる期間は、「私が抱っこしてるから大丈夫よ。ママはゆっくり食べてね!」と言ってくれるので、とてもゆったりした生活ができました。
- 中国では、産後は厚着&家でも帽子をかぶってとにかく冷やさないようにする!というのを聞いたことがある人もいらっしゃると思います。私も知ってはいましたが、特に何も言われなかったので、普通に半袖や裸足で過ごしていました。シャワーはもちろん毎日。どう思っているのか気になってこちらから聞いてみたところ、「他の産後ママはみんな帽子をかぶるし、暖かい格好をする。でもあなた達外国人がそうしないことは知ってるから大丈夫よ。あはは〜」という感じでした。
ユエサオとのコミュニケーション
- 私は中国語で簡単な日常会話なら可能ですが、育児用語や料理名などの中国語はさっぱり分からなかったので、しばらくは翻訳アプリや辞書頼みでした。
- おむつやミルクなど、1日に何度も使う単語は数日すれば分かってくるので、言語面はそんなに心配しなくて大丈夫かなという気がしました。
食事
- 3食+間食を全て用意してもらえます。初日は調味料を揃えたり、調理器具の場所を教えたりなどなど少々大変です。
- 食材はフーマなどを使って自分で頼みます。自分の好きな物を買ったり、ユエサオが言った物を買ったり。最初しばらくはユエサオがどんな物を作れるか分からないので、買う物リストを作ってもらってそれを私が注文していました。
- 料理はあっさり中華です。品数もたくさん用意してくれてとても美味しかったです。…が、やはり10日も経つと少し飽きました。(でもワイマイしたいとかカップ麺食べたいとはなんとなく言い出しにくく…。)新品の1Lサラダ油が2週間弱で無くなったので、あっさりと言っても油たくさん使ってるんだな〜と思いました。
- 少し慣れた頃には、「これはどうやって使うの?」と、日本の調味料を使い、味噌汁などの日本料理を作ってくれたりもしました。
- 私は中国でよく見るおやつ(ナツメを使ったものなど)が苦手なので、一番最初に「間食はフルーツだけでいい」と伝えておきました。
ユエサオを頼んで良かった点
- 授乳以外は赤ちゃんのお世話も家事も気にすることなく、休むことにひたすら専念できました。(私と夫の洗濯物くらいは自分で…!と思っていましたが、結局途中から干したり畳んだりするのも全部お任せしてしまいました。)
- 母乳の出がそれほど良くなかったのですが、ユエサオが10ml単位で様子を見ながらミルクを飲ませてくれたので、「どれくらい飲ませればいいのか分からない…」という不安がなかったです。
- うんちやおしっこの量や色も、「正常だよ、問題ないよ」と言ってくれて安心できました。
- 退院して2日後にまた病院で健診(出生72時間健診というものらしいです)があったのですが、外出準備など全てユエサオがやってくれ、私はただの付き添いとして気軽に行くことができました。
- 上記検診の際の黄疸の数値が少し悪く、病院から「日光浴をしっかりさせてあげてね」と言われたので、ユエサオが部屋に日が入るタイミングを見ながら、毎日ちゃんと日光浴させてくれました。
悪かった点や戸惑った点
〈ユエサオ交代&途中解約〉
- ユエサオとの生活10日目頃に、ユエサオから「次のお客さんが早産で今日産まれてしまった。色々調整したが、延ばしても5日後にはそちらの家へ行かないといけない。本当に申し訳ないです。」とお話がありました。
- 驚きましたが、代わりの人を全力で探してくれたので、「まぁ仕方ないか、いろんなユエサオのやり方を見られるしそれはそれでいいか。」と思い、14日目にユエサオ交代となりました。何がどこにあるとか、苦手な食材とかは全てユエサオ同士で引き継いでくれました。
しかし2人目のユエサオさん…
- ソファに座る時、かなり高い位置からドスーン!と座る。新生児を抱っこしてるのに…。ソファもその度にギシッて音してる。
- 玄関の外に出て電話をし、赤ちゃんが泣き始めても戻ってこないことが何度かありました。
- 慣れないながら夫婦2人でミルクをあげているのに、赤ちゃんが上手く飲めていないのを見て「もう私に貸して!」と赤ちゃんとミルクを取り上げる、など…。
最後のが決め手で私も夫も「もうこの人と一緒に過ごすのは無理!」となり、3日目に出て行っていただきました。もうトラブルは嫌なので、代わりのユエサオを探したりはせず、計16日間で終了となりました。
1人目のユエサオさんはその後電話をくれて、「こちらの都合でこんな風になってしまってごめんなさい。合うユエサオを見つけられなかったのもごめんなさい。」と言われました。
〈その他〉
これ買って、と色々言われました。覚えているのは、赤ちゃん用品だと、ビタミンD液や顔用クリーム、追視訓練用の黒白カードなど。調理器具だと30cm級の蒸し器。強制ではないですし、高価な物ではないので、本当に必要?とは思いながらも割り切って買っていました。
まとめ・感想
- 最後はトラブルで終わってしまいましたが、最初のユエサオさんには本当に感謝しており、お願いして良かったと心から思っています。1歳の誕生日には「1歳おめでとう!」とメッセージをくれました。
- 文化の違う人と同居するのは大変なこともありますが、「何十人もの赤ちゃんの世話を経験している人が、お世話も家事もほぼやってくれる」という安心感が勝りました。産後2週間ほどは体がとてもしんどかったので、16日間だけでもいてくれて本当に助かりました。
- 最初の1-2日はお互い慣れないですし、色々説明したり、あれこれ買い揃えたりしないといけないので大変だと思います。それを乗り越えて軌道に乗ればゆったり生活できるので、翻訳ソフトなどを駆使して乗り切りましょう。