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同仁病院(VIP)出産レポート(1)【帝王切開】

※ 公立病院の"VIP"とは・・・

中国語で"特需(tèxū)"。より良い医療環境を提供するために設置されています。一般診療よりも費用が高くなる分、待ち時間が短い、著名な医師に診てもらえる、比較的静かでプライバシーが守られる環境がある、などのサービスが受けられます。

公立病院で出産する日本人の多くはVIPを選択するようです。

プロフィール

2021年出産、第1子、無痛分娩予定→緊急帝王切開

選んだ理由

•出産費用の補助がなく、私立病院は金額的に選べなかったため、公立病院で探した。

•同仁(VIP)か和平(VIP)かの選択肢だった。和平のVIPは基本的にウェルビー※に加入していなければ受け入れないと言われたため断念。同仁に行ってみたら先生が優しくとても感じが良かったのと、同仁で出産した日本人の話が聞けたということもあり、ここにしようと決めた。

※ウェルビー・・・会員制の医療サポートサービス。駐在員とその家族全員を加入させてくれる会社もある。

健診

•別クリニックで初期検診を受け、同仁は妊娠8週の時に初受診した。初診の予約はWeChatの同仁病院公式アカウント(アカウント名: 上海市同仁医院)から可能。初診以降は病院が予約してくれる仕組み。

•私立病院の健診パッケージのような「◯週に◯◯検査をする」と一目で分かる資料はないので、私立病院に通っている友人に健診パッケージのスケジュールを見せてもらっていた。検査スケジュールや項目はほぼ同じ。日本と違ってエコーが毎回ではない、なども同様。

•ウェルビーに加入していれば通訳をつけられるらしい。私は加入していなかったので、台湾人の友達に通訳をお願いしていた。

•健診の流れは、挂号(グァハオ。その日の診察を受けるための受付のようなもの)&支払い→尿検査・体重・血圧測定→エコーがある日はエコー→医師の診察

•医師は最初に主治医を決めて、健診は毎回その医師に診てもらう。私の場合は、初診で診てくれた先生がとても感じが良かったのでその先生にずっと診てもらった。

•VIP専用階などがあるわけではなく、一般診療と同じ空間で健診を受ける。VIPは一般より挂号費用も高い(毎回300元かかる)分、一般診療よりも待ち時間は少なくなるようになっている。 ただ、VIPとして挂号する人もとても多いので、結局待ち時間は長い。

•診察の予約はするものの、挂号をしてから順番待ちとなるため、エコーの順番待ち、エコーが終わったら次は医師の診察の順番待ち…など毎回発生する。合計で3時間程度かかったことも。

•子連れの人は時々見たが、あまり多くない。「子どもを連れてくるのはダメ」と言われた人もいるそう。

•エコーの画面は見せてもらえない。(性別判定防止のため。)なので、25週頃に4Dエコーのできる所に行ってエコーをやってもらった。(下記)

月子中心の中の一室で清潔な空間。赤ちゃんが動くようにチョコレートを持ってくることを勧められた。 エコー写真も何枚か印刷して貰えたし、当時はマタニティフォトも無料で撮れるサービスがあった。(現像代は別途)

親子教室

•病院で開催されている教室もあるが中国語のみだったので、上海すくすく広場主催の親子教室に参加。

分娩

•出産前のオリエンテーションなどは特になかった。持ち物リストなどは、病院内に掲示されているQRコードを読み取って情報を得る仕組み。

•「陣痛が10分間隔になったら救急から入ってきてください」と説明された。事前に電話で連絡などは不要。子宮口が1cm以上あいてないと入院できない。 私は台湾人の友達が付いて来てくれて全部対応してもらったが、救急に入る時の言語のハードルは高いなと感じた。

•VIPの場合は、基本的にLDR(陣痛〜分娩まで同室でできる部屋)に案内される。

•無痛分娩は1000元。私は事前に主治医に「無痛分娩がいい」と伝えていた。麻酔科医常駐なので、当日に決めることも可能。 しかし、無痛の麻酔を入れる前に、赤ちゃんの酸素が足りなくなってきているということで緊急帝王切開になった。

•日本での経験はないけれど、帝王切開手術の技術力は高いと思う。やはり手術数が多いので。日本では術後テープみたいなものを貼ると聞いたが、処置は消毒のみだった。緊急帝王切開だったけれど、横に切ってくれたので傷口は分かりづらい。

•分娩は立ち会い可。(むしろ身内の立ち会いが必須かも?) ただ、緊急帝王切開時は夫も立ち会い不可だった。

•健診はずっと主治医の先生だが、出産はその時出勤している先生が担当するので、初めて会う先生だった。主治医は入院中1回だけ会った。計画帝王切開の場合は主治医が担当になる。

•NICUはない。同仁は交通大学附属の病院なので、緊急の必要性があれば系列病院に搬送されるそう。

•自分が出産した当時は、病院側が水中出産をすごく推していた。LDRにプール(大きなお風呂?)が置いてあって、子宮口が全開になったらプールに入るらしい。普通分娩にプラス2000〜3000元と聞いた。

入院

•入院期間は帝王切開で3泊4日。

•入院棟は12歳以下の子どもの立ち入りを禁止しているので、上の子を連れていくことができない。上の子がいる場合は、自宅で夫にみてもらって自分はユエサオに頼るか、日本から両親に助けに来てもらうことになると思う。

•授乳指導や沐浴指導は無し。

•入院棟は、いつも健診を受ける産科の棟より断然綺麗で清潔。VIPは優先的に個室(1800元/日)に通してもらえるが、もし空いていなければ2人部屋などになることもあるらしい。個室内も綺麗だった。

•個室にシャワーや洗面台などは完備されている。ただ、帝王切開だったこともあって医師から2週間ほどシャワーを浴びることを禁止されたため、入院中シャワーは使えず。

•入院中は、ナースステーションに行くとすでに出来上がっているミルクを貰えた。なのでメーカーなどは不明。 時々切れている時もあるので、メーカーにこだわる方や切れている時も飲ませたい方は持参がおすすめ。

母乳推進でミルクはあまり飲ませないように言われたが、母乳が出なかったので私はミルクを飲ませていた。友人の話だと、開通してくれる助産師さん的な人がいるようで予約が空いていれば頼めるそう。

•入院時に持参するもの →公立病院なので、必要なものはほぼ全て自分で用意する。スーツケース2個分になった。病院には、パジャマだけはあったと思う。

(参考1)自然分娩時の持ち物リスト

(参考2)帝王切開時の持ち物リスト

産後の健診

母親

42日健診があった。

赤ちゃん

•退院後数日で健診がある。黄疸の数値で引っかかったため数日おきに通った。

•産まれた後の健診などのサポート体制は厚く、希望すればずっと(3歳くらいまで?)健診を受けることができる。私の場合は1歳健診まで同仁病院で受けた。 挂号は数十元で、検査費込みで100~300元くらい。股関節チェックや目の検査など、とても細かくやってくれた。その後は、社区の衛生センターで健診を受けている。

•予防接種は、出産時に接種するもの以外は取り扱っていないということで、社区の衛生センターで接種している。

かかった費用

•健診費用は都度支払い。VIP挂号費(300元)のほか、診察費、検査費、エコー代(90元)など。

•出産費用は帝王切開手術費、ベッド代等全て合わせて約15000元

•トータルで35000元いかないくらいだった。帝王切開ではなく普通分娩で産んだ友人は30000元いかなかったと聞いた。

感想

•日本語対応はないが、医師も看護師も外国人慣れしていて穏やかに対応してくれたため、安心感があった。

•分娩や手術など扱う件数が非常に多いため、技術が高く、信頼できた。

•全体的に、費用に対する満足度はとても高いと思った。