今回は、上海市内にある「社区卫生服务中心(衛生センター)」で予防接種を受ける方法を紹介します。
※赤ちゃんの予防接種全般については、こちらの記事をご覧ください。
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衛生センターって何?
各居住地域に設置されている衛生センターは、日常の診療のほか地域住民の健診や予防接種などを行う公立の診療所です。
ばおばおInfoの読者を対象とするところでは、子どもの月齢の健診や予防接種などが受けられます。
子どもはだれが対象?
上海に住んでいる子どもであれば、誰でも予防接種を受けることができます。国籍などは問わず、日本で出産し、途中から上海に来た子どもも大丈夫です。
場所
上海では16区の区(长宁区、徐汇区など)、更に細分化された社区(长宁区では10つ、徐汇区では13つ)というコミュニティがあり、衛生センターは社区ごとに置かれています。どこでも行っていいわけではなく、お住まいの社区の衛生センターに行く必要があります。
該当社区がわからない場合は、居委会、マンションのフロントサービスや不動産屋に聞くと教えてくれます。
利用シーン
衛生センターでは、全てのワクチンを受けることもできますし、例えば、「いつも予防接種を受けている病院では日本脳炎の在庫がないと言われた」「ロタを打つのを忘れてしまった」「インフルエンザワクチンを打ちたい」など、特定のワクチン接種も可能です。
どうやって受けられる?
まず初めに、衛生センターに行き、子どもの名前や出生情報などを登録する必要があります。登録したその日から接種可能です。
事前準備と持ち物
登録には、以下の書類が必要ですので、事前に準備をしておきましょう。
①家の契約書(賃貸契約書)のコピー
②上海市预防接种证(ワクチンブック)…下記写真の緑色の冊子※
③パスポート
※日本で出産後に上海に渡航された方など、まだワクチンブックを持っていない場合は、母子手帳など過去の予防接種歴が記録されたものを持参します。ワクチンブックは、その日に衛生センターにて発行してもらえるそうです。
登録後に衛生センターのカードが発行されます。次回以降は、衛生センターカードと②のワクチンブックを持参すればOKです。衛生センターカードの発行なしでワクチンブックだけで受けられる場合もあります。
予約方法と言語
予約は必要ありません。受付時間は午前中8~11時などが多いですが、センターによって異なる場合がありますので、確認しておきましょう。
言語は中国語のみになります。ただ、当日の流れはシンプルですので、必要であれば翻訳アプリなどを使用しながら接種していきましょう。センターの受付で聞いてみたところ、「中国語があまり話せない外国人もたくさん来ます」とのことなので、あまり心配しなくてよいかと思います。
接種当日の手順
①衛生センターのカードを機械にかざして、整理券を取得
②予防接種の受付をする(受けたいワクチンを伝える)
③お金を支払う
④接種
⑤待機(副作用がないか確認するため)
⑥問題がなければそのまま帰宅
費用
ワクチンブック内に「上海市免费疫苗接种程序表」(=無料で接種できるワクチンスケジュール表)があり、この表にあるワクチンは全て無料です。
上記以外のワクチンは自費で接種することになります。価格表などは無いようですが、例としてロタウィルスは287.5元、手足口病は193.5元(2023年7月確認時点)とのことでした。
衛生センターで接種する場合、接種手数料や人件費などは上乗せされず、かかるのはワクチン自体の値段のみという説明でしたので、私立病院などで接種するより遥かに安価に接種できる可能性が高いです。
衛生センターの雰囲気
徐汇区街道社区卫生服务中心に行ってきました。
入り口には、看板があります。
現在は改修工事のため、仮の場所で受付しており、子どもの予防接種だけが対象となっているようです。
通路に、予防接種の流れの説明がありました。
子どもの身長・体重を計測するスペースがあります。
こちらは触診など気になる箇所を診るスペースです。
実際に予防接種をする部屋の様子です。お座りができない月齢の子どもは寝かせて接種していました。
整理券や領収書を発行する機械。
受付や看護師さんは、皆とてもフレンドリーな雰囲気でした。センターの職員さんが子どもをあやしたり大人同士でお喋りしたり、和気あいあいとしていました。
日本では、接種前に医師の診察があり、医師が注射をしますが、私が行った衛生センターに医師はいませんでした。予防接種は、看護師が行います。
そのため、発熱や症状などある場合は、自己判断しなければならないことも多いです。症状がひどい際には、受付で止められる場合もあるようです。
さまざまな事情・状況があると思いますので、衛生センターで予防接種をされる際は、本記事を参考にしてください。